---パットさんからMessage”日本のCAP10周年に寄せて”…日本語訳---
親愛なる日本の友人の皆様 2005年7月26日
桝井喜洋子さんとの最近のEメール交換で、日本のCAPが10周年を迎えることを知りました。なんと素晴らしい業績でしょう。あなたが当初からのCAPファシリテイターであれ、ほんの1年前にグループに入ったかたであれ、10周年記念を迎えることでやりがいと励みを感じることでしょう。子どもの代弁・権利擁護は難しい仕事ですが、それができたときはとても嬉しいものです。世の中には、子どもは自分の私物であって好きに扱っていいのだと思っている人まだまだが多いのは悲しいことです。長年にわたって私たちは、そのような考え方を変えようと努めてきました。私は心から、日本のプロジェクトはまさにその「子どもの代弁・権利擁護」という素晴らしい仕事をしてきたのだと信じています。
世界中のCAPの人たちは皆様と同じように、学校や地域で活動し、そこに変化をもたらすことができると信じてきました。セルビアでの私たちのプロジェクトは、そこで恐ろしい戦争が行われていたにもかかわらず、6つの都市で子どもたちのためのワークショップを提供しました。ベルグラードで行なったトレーニングでは、コソボから来た女性たちが私に、「ここの子どもたちは現在安全な状況下にいません。しかし私たちは、この子どもたちを安心で自由にすると決心しました」と言ってくださいました。この断固としたたゆみない精神がその年、セルビアの29の学校にCAPを届けました! クロアチアでは、CAPの一人の女性が、自分の息子たちは15歳で強制的に戦争に行かされ、そこでの経験が彼らの性格や人生観に深い傷を負わせたと、私に語りました。彼女は自分の息子たちには与えられなかったこと、彼女の息子たちも健康で安全であるべきだったのですが、彼女は子どもたちの健康と安全を守ることに一生を捧げるのだと、トレーニンググループの前で誓いました。英国のCAPチームはスペシャルニーズの子どもたちの権利擁護に努めています。虐待を受けた子ども、そしてその子どもたちのニーズは、よく無視されています。エストニア、モルドバ、ウクライナのCAPプロジェクトは存続の危機にさらされています。活動を続けるべきとは知りながらも、それを続ける資金が得ることができないからです。残念なことに、ニュージーランド、アイルランド、グレートバハマ、ドイツなどの国では、基金が途絶え、CAPチームは消えていきました。それでも、かつてチームの一員であった人の声はいまだに絶えることがなく、それは今活動を続けるCAPの人たちの心にあり、虐待反対の声をあげ続けています。
ここアメリカでは、我々CAPは力強く声をあげています。それはそうせざるをえないからです。私たちは国家として、過度のお金を戦争に費やし、子どもたちの保護のためにはほんの少ししか費やしません。アメリカ中のCAPプロジェクトは、日本の皆様と同じように、子どもたちを優先させるよう励んでいます。失敗するときもありますが、成功するときもたくさんあります。私は、アメリカのプロジェクトの人々に日本のCAPネットワーク(CAPセンター・JAPANを指す)のことをよく話します。私がCAPセンター・JAPANの決意や目的にどんなに感心しているかを皆に伝えています。どんな問題が起こっても、そして見解が違う人たちが集まれば必ずいろんな問題が起こるものですが、日本の皆様は常にうまく切り抜けているようです。子どもたちへの関心が個々の違いを超えているのでしょう。これは実に素晴らしいことです。
日本中の子どもとその家族にエンパワメントのメッセージをもたらしてきた10周年を祝うとき、あなた方の活動が変化をもたらしたということを知ってください。子どもたちは最も貴重なメッセージを受け止めてきました。「自分は安全である権利を持っている」というメッセージです。子どもワークショップで、おそらく生れて初めて、誰も自分を傷つけたり怖がらせたり危険な目にあわせる権利がないのだということを知ったでしょう。皆様がた一人一人から新しい方法を学んだ教師や親は、子どもとの関係を強め、「虐待をなくし、子どもへの尊敬の重要さに焦点をあてる」という永続的遺産をつくりあげよう励んでいます。あなた方の活動が、何千という日本の家庭に、子どもに対する新しい視野をもたらしました。なんという驚くべき貢献でしょう!.
私は皆様一人一人が、これから10年、20年、30年とCAP活動を続けて下さることを願っています。私が去り、私の子どもたちが年老いても、CAPセンター.・JAPANは力強く活動を続け、子どもたちのために発言していくことでしょう。「教えること」、「次世代の人々の人生を形づくること」より偉大な仕事はないと私は信じています。皆様の国、日本にとって、皆様の努力は百倍になって戻り、皆様の、そして皆様が教える人々の人生を豊かにするよう、祈っています。
十周年記念、おめでとうございます!
お元気で。
ICAP事務局長 パット・スタニスラスキ
(訳:門田紀子 監訳:桐野由美子)